初めての婚活パーティ③
サチに注がれる男たちの視線の熱量から、私は自分とサチとのレベルの違いを感じざるを得なかった。
まあ、本来は比べるまでもないのだ。
私は、容姿も良く見積もって中の下。
第一印象は、「暗い・怖そう・真面目そう」(実際言われた)
身長は低く、そのくせ標準体重なのでぽっちゃりしている。
一般的なオシャレに目が向いたのはちょうどこの頃。
それこそ学生時代は、ザ・オタサー女と言ったレースにフリルにリボンなブリブリ系を好んで着ていた(ア●シーズとか)。
趣味はゲームとアニメというオタっぷりの割に、ぬるかったのでガチのかたとは話が合わず、かといって非オタと話せるような趣味もなかった。
全くモテない、とまでは言わないが、(変なやつらだらけだが)はっきり言って、万人受けはしなかった。
中高はクラスからは一戦を引かれていた。
イジメのターゲットにもされたことがある。
いわゆる三軍所属の、キモい系女子だった。
一方サチは、とびきり美人という訳ではなかったが、学生時代からそこそこモテていた。
ふわっとした容姿からは優しさが滲み出ている。
サークルも、テニスとボランティア系を掛け持ちするアクティブっぷり。
趣味はテニスとお料理(これが本当に嫁にきて欲しいレベル)。
ジャニーズが好きだがジャニオタとまではいかない。
なにより人当たりがよく、周りにはいつもたくさんの人がいた。
クラスでも一軍の中に馴染んでいたし、
それなのにキモい系三軍の私とも、仲良くしてくれた。
まぁ、本人いわく一軍にいるのは色々気疲れもあり苦労したとのことだが。
サチは私にないものをたくさん持っていた。
誤解を招くが、サチへの感情は嫉妬じゃない。
サチのもっているものは全てサチの努力によって得られたものだ。
一方、自分は生きたいように生きて嫌われているのだから自業自得なだけ。
そんなこんなで、暫くするとスタッフがやって来て、パーティが始まった。
……始まっ、た?
いやいやいや、待て待て待て。
まだ男女比5:1やで。