Mについて。③
Mのキスハグループは、朝まで続いた。
起床時間になりYが起き出した頃、ようやくそれは止んだ。
Mは全く動じた様子もなくベッドから出ていき、何事も無かったかのような顔で過ごした。
そして、Yと一緒に家で朝御飯を食べ、「帰るわー」とあっさりと帰っていった。
残された私は、Mの積極的アプローチにドキドキがおさまらず、でもその後のMの無表情からはその後の展開も読めず、ただただ動揺していた。
そのうちあれは事故みたいなものだったのだと、気持ちを落ち着けて部屋を片付けた。
ピンポーン
インターホンがなる。階下のオートロックではなく、部屋の前。
そこにいたのは、Mだった。
「あのさ」
いつもの仏頂面で、Mは言った。
「俺たちって、もう恋人同士なんかな」
こうして、Mとの付き合いが始まった。
いま思えば告白だったのか謎だが。